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アスベストとは、天然の鉱山の石の中に入っている繊維のことで、石綿とも言われます。
長さは1mmから数センチ、太さは0.02ミクロン、髪の毛の5000分の1の細さで肉眼で見ることは出来ません。4000〜5000本集まってやっと筋として見ることができる大きさです。
アスベストは、耐熱性・耐薬品性・電気絶縁など多くの優れた特性があり、古くから保温材や石綿板などを中心に広く使用されていました。
また軽量のため扱いやすく、建築資材や工業製品など幅広い用途で重宝され、かつては3000種類もの製品にアスベストが使われていました。
しかし現在では、発ガン性物質であることが証明され、平成7年4月1日の法改正にともない、労働安全衛生規則及び特定化学物質障害予防規則において、アスベストの規制対象範囲が拡大し、0.1%を超えて含有するアスベスト製品までが対象となりました。


顕微鏡撮影による代表的なアスベスト6種類 |
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アスベストは、アスベストそのものが有害なのではなく、飛散や吸引が問題となるものです。
アスベストの繊維は、その耐久性のために、吸い込んでしまいいったん肺の中に入りこむと、何十年か経ってから身体に悪影響を及ぼします。肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になると言われており、肺がんを起こす可能性があることも知られています。例えば、中皮腫は、約35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いと言われています。
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吹付けアスベストを使用した建物は、1970年代に最も多く使用されたという報告があります。これらの建物は、建築後30年程度経過しており、建て替え時期を迎えつつあります。環境省の調査では、2020年頃に建物解体のピークを迎えると予測しています。現在はアスベストを含有する製品をつくっていたメーカーの問題がクローズアップされていますが、今後はそれらが使用された建物を所有している方々もアスベストの存在を知り、適正な対策を実施する必要があると考えられます。
世界各国ではすでにアスベストのリスク面に注目が集まっており、近年では代替物の発見にシフトしてきています。
日本では法令などで予防や飛散防止が図られてきましたが、より効率的で根本的なアスベスト対策として平成17年2月24日より石綿障害予防規則が施行されました。
この規則によると、 例えば、作業室などの天井に石綿が吹き付けられていて、暴露の可能性があるにもかかわらず放置して、常駐していた管理人などに健康被害が発症した場合は不作為の責任を問われることになります。またアスベストの調査をせずに建築物解体を行った場合、罰則が科せられることもあるため、注意が必要です。
アスベスト含有建材への対応として、平常時は普通に使用していれば問題はありませんが、リフォーム工事や解体工事で、切断や破壊などの際に飛散が考えられますので、石綿則に即した対応が必要になります。
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現在、アスベストによる被害として、日本の中皮腫の死者数は95年から03年で約6,000人という統計がでています。発症までの潜伏期間が長いため規制した現在でも、被害者はまだ次々と出てくる可能性が有り、今後30〜40年の間には10万人を超えるとも言われています。
高い危険性を有しているにもかかわらず、私たちの身の回りに存在するアスベストに対して、政府もこれ以上の被害者を出さないよう、防止策を講じています。しかし、それとは別に所有者・管理者から意識改革に努め、安全策を行っていくことが何よりも重要となってきます。
今回国土交通省は不動産取引の際に、アスベスト検査を受けているか、耐震診断検査を受けているかを重要説明事項として顧客に情報開示するよう義務付ける方針も固めました。アスベストを含むかどうかは資産価値に大きな影響を与えるため、十分な情報を知らせる必要があると判断したためです。
アスベストが使われているビルは、売買対象としてはもちろん、テナントビルの選択肢から外れてしまうかもしれません。今以上の被害を増やさないためにも、少しでも疑いのあるものには決してむやみに触れたりせず、専門家や業者へとご相談されてはいかがでしょうか。
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■建物所有者の方の責任
建物所有者は、建物利用者の安全確保に努めなければなりません。 ◆アスベストについて重要事項説明書での追加説明責任
(宅地建物取引業法、2006年4月改正) (1)建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、建物の売買・賃貸の契約時に、その内容を説明しなければなりません。
◆利用者の安全のため、石綿の飛散に対して措置を講じる責任
(石綿障害予防規則 第10条関係) (1)事業者は、その労働者を就業させる建築物で石綿が損傷、劣化等により飛散する恐れのある場合は、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければなりません。
(2)事務所または、工場の用に供される建築物の貸与者は、共用する壁等に吹き付けられた石綿等が飛散する恐れのある場合は、(1)と同様の措置を講じなければなりません。
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■工事発注者となったときの義務
所有者の方が工事を発注された場合、工事事業者の石綿曝露防止のための義務があります。 ◆工事時の情報提供の義務
(石綿障害予防規則 第8条関係) (1)解体工事の発注者は工事請負人に対し、石綿含有建材の使用状況等(設計図書等)の情報を提供する必要があります。
◆安全に配慮した工事発注の義務
(石綿障害予防規則 第9条関係) (1)解体工事の発注者は工事を請け負った事業者が適切な工事ができなくなることの無いよう、解体方法・費用等について、配慮しなければなりません。
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